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渡島管内の温泉の特徴

温泉に入るサル

 渡島地域は、温泉の数が非常に多く、平成6年12月に福島町で温泉施設がオープンし、管内17市町村全てに温泉施設ができました。
 また、特徴的な温泉が多く、函館市の湯川温泉のように全国的に有名な温泉保養地や、世界的に見ても極めて貴重な長万部町の二股ラジウム温泉、開湯800年で道内最古といわれる知内町の知内温泉、また、入浴時間が潮の満ち引きに左右されるという野趣あふれた海の露天風呂、椴法華村の「水無海浜温泉」などが挙げられます。

温泉

温泉法(昭和23年試行)によると、地中から湧きでる温水、鉱水、水蒸気やその他のガス(炭化水素を主成分にした天然ガスを除く)を含む湧水で、泉源での温度が25度以上あって、別表に示す物質を一つ以上含有するものをいいます。
 

泉質

単純泉

含まれている成分が薄い温泉。成分が希薄なため、身体に与える刺激が少なく、利用範囲が広いのが特徴です。即効性はありませんが、高年者向きで、主に神経痛、病後の回復や疲労回復に効果があります。

 

食塩泉(ナトリウム塩化物泉)

泉水中の塩の粒子が毛穴をふさぎ、汗を蒸発させないので、非常に暖まります。
リューマチや冷え性、打ち身、ねんざに効果があり、飲用の場合は胃液の分泌を促し、胃腸病に良く効きます。

重曹泉(ナトリウム炭酸水素塩泉)

アルカリ泉ともいわれ、また美人の湯としても知られますが、その理由は、浴後に肌がなめらかになって、脂肪や分泌物を落とし、石鹸と同じような効果を示すからです。したがって、毛穴から水分の発散させ、湯上がりに清涼感があります。
効能は、皮膚病で、火傷、切り傷にも良く、飲用すれば、“胃散”という薬と同じ効用で慢性胃炎に効果的です。

炭酸泉(二酸化炭素泉)

泉水に炭酸ガスがとけ込んでいるもので、日本には少ない泉質です。
炭酸ガスが無数の細かい泡になって皮膚に刺激を与えて、毛細血管を拡張し、血液の循環をよ良くして血圧を下げるので心臓病や高血圧症に効きます。
飲泉は、胃腸粘膜の働きを良くするほか、食欲増進、利尿作用があり、便秘にも効きます。

硫酸塩泉(苦味泉)

亡硝泉、石膏泉、正苦味泉の3種類に分類されます。
亡硝泉・正しくはナトリウム硫酸塩泉といい、浴用では動脈硬化、高血圧によく、飲用すれば、胆汁分泌を促すので腸に効き、便秘、肥満症にも効果があります。
石膏泉・カルシウムを含み、正式にはカルシウム硫酸塩泉といいます。
鎮静効果があり、火傷、切り傷、打ち身、ねんざなどに効きます。
正苦味泉・正式にはマグネシウム硫酸塩泉といい、脳卒中の後遺症の改善や高血圧、動脈硬化の予防に効果があり、脳卒中の湯として知られています。

<別表>温泉法による含有物質と含有量 
(単位 mg/kg)

溶存固形物質総量 1000以上
遊離炭酸 (CO2) 250以上
リチウムイオン (Li+) 1以上
ストロンチウムイオン(Sr++) 10以上
バリウムイオン(Ba++) 5以上
第1鉄または第2鉄イオン (Fe2+・Fe+++) 10以上
マンガンイオン (Mn++) 10以上
水素イオン (H+) 1以上
臭素イオン (Br-) 5以上
ヨウ素イオン (1-) 1以上
フッ素イオン (F-) 2以上
ヒドロヒ酸イオン (HAs04-- ) 1.3以上
メタ亜ヒ酸イオン (HAsO2) 1以上
総イオウ (S) 1以上
メタホウ酸 (HBO2) 5以上
メタケイ酸 (H2SiO2) 50以上
重炭酸ナトリウム (NaHCO2) 340以上
ラドン (Rh) 20×10-10キュリー以上
ラジウム塩 (Paとして) 1×10-8以上
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