ハウチワカエデ (カエデ科)
海道、本州、四国、朝鮮半島では中−南部の
山地に分布する。落葉高木で樹高10-12mに達する。
雌雄同株。枝の樹皮の内側は粘着性がある。葉は
円形で浅く9-11裂して葉うちわ状、長さ10cm前後
あるいはそれ以上となって大きい。秋には赤色を
濃く帯びる。花は 枝端に散房花序をなし、暗赤色で、
葉の萌出と同時に咲く。重厚な庭木になり、ことに
萌芽時の若葉と花 が美しい。
主な園芸品種に次のようなものがある。
”隠れ笠”−”金隠れ”ともいわれ、関西では
”黄金” とも呼ばれる。葉はやや小さく、若葉は黄に
近い黄緑色で、しばしば葉縁に細く赤色を帯びて美しい。
”舞孔雀”−葉が基部までほぼ9-13裂し、裂片はさらに
多くの不整欠刻をもつ。”孔雀錦”−”舞孔雀”の斑入りで、
白色の散り斑、切り斑、ときにうぶ斑を示す。
北の山々に雪の便りが届くころ、函館山の秋をまっ先に
飾るのが、このハウチワカエデです。葉の形が、
天狗の持つ「うちわ」に似ていると言われるこの葉の紅葉は、
朝夕の寒さが日一日と増すたびに、赤く鮮かに色づき、
紅葉の山にアクセントをつけていきます。