モクレン科

双子葉植物、離弁花類。常緑または落葉の高木ときに低木。
葉は互生し、全縁であるが、ユリノキ属のみ分裂する。
顕著な宅葉があり、帽子状となって若い葉と茎頂を保護する。
花は頂生または液生し、大形で単生する。
花弁、雄しべ、雌しべは離生し、長い花托上に螺旋状に配列する。
このような花の構成は、被子植物のうちでもっとも原始的とされる。
ただし、萼片は3枚、まれに4枚で、輪生する。胚珠は2〜20個。
アジア東部から南部、南北アメリカの熱帯から温帯に約150属230種分布し、ユリノキ属のみからなるユリノキ連と、ほかの全属を含むモクレン連とに分類される。

日本にはモクレン属と、オガタマノキ属が分布する。
各属の花は互いにたいへんよく似るが、果実の裂開法等により区別される。
ユリノキ属では翼果で裂開しないが、モクレン連では裂開し、赤い外種皮をもつ種子が白い糸で果托からぶら下がる。
花は一般に大形で芳香があり、華麗なため、世界中で花木として重用され、おもなものにタイサンボク、シモクレン、ハモクレン、コブシ、キンコウボク、ユリノキなでがある。
欧米ではツバキ類、ツツジ類とともに、三大花木として珍重される。

同じモクレン目のバンレイシ科やクスノキ科などと同様、植物体に精油を含み、香料として利用したり、漢方薬にする。
材は柔らかくて狂いが少なく、建築や家具調度品などに幅広く使われる。






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